Google Apps Script(GAS)でスクリプトを作成するとき、公式ドキュメントを見る機会がちょいちょいありますよね。検索エンジンから「GAS ドキュメント」などで探すけど、そこから自分が探しているメソッドを探すのがちょっと面倒。検索窓からメソッド名を入れてもヒットせず、毎回クラス名から辿ることになります。
そこで、GASの公式ドキュメントのリンク集と、ドキュメントの見方(必要な情報までのたどり方)を作成しようと思いました。自分自身、GASを使うときに見返せるものにしたいと思い作成しています。
GASの公式ドキュメントのリンク
Google Apps Script(GAS)の公式ドキュメントのリンクは以下になります。
上記URLを開くと、以下のようにApps Scriptのトップページが表示されます。
各Googleサービスのリファレンスの開き方
画面上部にある「リファレンス」タブを押します。
左側にGmail、Google Calendarなど、Googleサービスごとのメニューが表示されているので、参照したいサービス名を押します。今回はGoogleスプレッドシートを開きます。
すると、下位のメニューが表示されますので、そのなかから最上位のクラスとなる「SpreadsheetApp」を押します。
サービスによっては「Gmailアプリ」「フォームアプリ」など、日本語表記の場合もありますが、基本的には「~App」または「~アプリ」という名前になります。
このようにして、各サービスの上位クラスからメソッドを辿ります。
各サービスのリファレンス一覧
ここまで、GASの公式ドキュメントの見方について解説しましたが、毎回トップページから目的のサービスまで辿るのは正直面倒です。そこで、以下に各サービスのリンクをまとめます。
「クラス一覧」には、各サービスのクラス一覧が載っています。「~Appクラス」は、クラス一覧のうちのひとつであり、かつ、最上位のオブジェクトにあたります。
サービス名 | クラス | 概要 |
---|---|---|
Googleスプレッドシート | クラス一覧 | |
SpreadsheetAppクラス | シートの作成・取得など | |
Googleカレンダー | クラス一覧 | |
CalendarAppクラス | カレンダーに登録されたイベントの取得、追加、削除など | |
Googleドキュメント | クラス一覧 | |
DocumentAppクラス | ドキュメントの作成・取得など | |
Google Drive | クラス一覧 | |
DriveAppクラス | ファイルやフォルダの作成・取得など | |
Googleフォーム | クラス一覧 | |
FormAppクラス | Formに対する操作 | |
Gmail | クラス一覧 | |
GmailAppクラス | Gmailの送信・スレッドの取得など | |
Googleスライド | クラス一覧 | |
SlidesAppクラス | Googleスライドに対する操作 |
ドキュメントの見方:スプレッドシートの例
たとえば、Googleスプレッドシートのセルの値を取得するメソッドを調べる方法について考えます。
- 対象のスプレッドシートを開く
- 対象のシートを指定する
- セルを指定して値を取得する
となります。これを順番にスクリプトに落とし込んでいきます。
最初に、トップレベルのオブジェクトであるSpreadsheetAppを用いてスプレッドシートにアクセスします。次に、その下の階層のSpreadsheetクラスを用いてシートを指定します。RangeクラスのgetRangeメソッドを用いて、指定したセルを取得します。最後に、同じくRangeクラスのgetValueメソッドでセルのテキストを取り出します。
これをスクリプトにすると以下のようになります。
let ss = SpreadsheetApp.openbyId('xxx'); // IDでスプレッドシートを取得
let sheet = ss.getSheetByName('sheet1'); // sheet1を取得
let val = sheet.getRange('B2'); // B2セルを取得
let txt = val.getValue(); // B2セルのテキストを取得
console.log(txt); // ログに出力(出力結果は「300」)
スプレッドシートを例に説明しましたが、他のサービスの場合でも、必ず最初にトップレベルのオブジェクト(~Appクラス)を使用します。そのため、「~App」のリファレンス→クラス一覧のリファレンスの順に参照すると良いです。
Googleスプレッドシート関連
GASでは、Googleスプレッドシートを操作する機会が多いと思うので、スプレッドシート関連のリファレンスについてはこちらでまとめます。
スプレッドシートの操作方法概要
Googleスプレッドシートの開き方、セルの値取得・書き込み、書式設定などの基本的な使い方がサンプルコードとともに記載されています。
SpreadsheetAppクラス(スプレッドシートの作成・取得など)
Googleスプレッドシートを扱うためのクラスです。SpreadsheetAppが最上位のクラスとなります。Googleスプレッドシートの作成、シートの取得、スプレッドシートを開くなどのメソッドが用意されています。
SpreadsheetAppクラスの主なメソッド
- create(name):新しいスプレッドシートを作成
- openById(id):IDでスプレッドシートを開く
Spreadsheetクラス(スプレッドシートの操作)
スプレッドシートを操作するためのクラスです。先ほど紹介したSpreadsheetAppクラスの下位クラスにあたります。
Spreadsheetクラスの主なメソッド
- getActiveSheet():アクティブなシートを取得
- getCurrentCell():現在選択中のセルを返す
Sheetクラス(シートの操作)
スプレッドシートへのアクセス、操作を行うためのクラスです。Spreadsheetサービスの下位クラスにあたります。
Sheetクラスの主なメソッド
- getCurrentCell():現在のセルを返す
- getLastRow():値が存在する最終行を返す
- getRange(row, column):指定したセルの範囲を返す
Rangeクラス(セルの操作)
セル範囲の操作を行うためのクラスです。
Rangeクラスの主なメソッド
- getValue():指定したセルを返す
- setValue(value):指定したセルに値を設定する
- getLastRow():最終行の位置を返す
スプレッドシートを操作する際によく使うメソッド一覧については、以下記事にまとめていますのでこちらもご参照ください。
まとめ
今回は、Google Apps Script(GAS)の公式ドキュメント(リファレンス)の見方、リンク一覧について紹介しました。公式ドキュメントは、正直あんまり使い勝手が良くないなと思うのですが(導線的に)、ネットで有益な情報が出てこないときや、正確な内容を確認したい場合には使うことになります。そのような場合に、本記事がスムーズに目的の情報に辿り着くための手助けになれば幸いです。
今後、GASを使うなかで必要だなと思った情報に関しては随時追加します。
コメント