最近、Amazon AWSという謎のCMを見かけませんか?
さもわたしたちの日常生活に溶け込んでいることをイメージさせるかのようなCMですが、正直これを見て「AWS」が何なのかさっぱり・・・・。
でも、AWSって、職場だったり、ネットで目にすることはけっこうありますよね。
「なんだかおさえておいたほうが良さげなワードだけど、うーん。
アマゾンの何かなんだろうなきっと!」
で終わっていませんか!?というか、私自身、エンジニアをしていながらそんなかんじです(お前もかよ!)。
なので、今回は、
子どもでも分かるよう、AWSについて解説する!
というのを目標に、記事を書いてみたいと思います。
AWSってなに?
AWSというのは、「Amazon Web Service」の略称です。
名前の通り、Amazon社が提供しているサービスなのですが、どんなサービスかというと「クラウドコンピューティングサービス」です。
クラウドってなに?
ここで「クラウド」について理解しておきましょう!
以下は、ゲームソフトで動くゲームと、オンラインゲームの比較です。どちらも同じようにゲームを楽しむことができますが、両者には違いがあります。それはなんでしょう??
それは、「ゲームが動く場所」です。SwitchとかPSPなどは自分のところでゲームが動くのに対して、オンラインゲームはインターネットを介して動きます。
右の図を見てみると、スマホとかパソコンとかの上に雲がありますね・・・!?この「雲」こそがクラウドの正体です。手元のスマホとかパソコンには、ゲームソフトそのものは入っていません。でも、インターネットを介して、インターネット上にあるゲームを動かすことができるのです。つまり、
クラウドとは、ネットを介して提供されるサービスのこと
ということです。インターネットを介して提供されるサービス他にも以下のようなものがあります。
オンプレミス (自分のところで動く) | クラウド (ネット上で動く) |
---|---|
Excel | Googleスプレッドシート |
自社に置いてるサーバ | オンラインストレージ OneDrive Google Drive iCloud など |
家庭用ゲーム (ゲームボーイ、Switch、PSPなど) | オンラインゲーム (マインクラフト、APEXなど) |
Youtubeやツイッター、InstagramなどのSNSも、ネットがつながっていないと見れませんよね。実はこれらもクラウドサービスのひとつです。
私たちが普段何気なく使っているサービスって、ネットが不可欠なものがとても多いです。ネットがつながってるのが普通になっているのであまり気にすることはありませんが、サーバーダウンとか、通信障害とかで使えなくなるとネットのありがたみを痛感します。
AWSではどんなサービスが提供されているの?
ここまでで、
- AWSとは、Amazonが提供するクラウドサービス
- クラウドサービスとは、インターネットを介して提供されるサービス
ということが分かりました。では、AWSではどんなサービスが提供されているのでしょうか?
AWSではビジネス系のいろんなサービスを提供している!
AWSには、200種類以上のサービスが存在します。なので、「Youtube=動画配信」「インスタ=画像」などのように、明確なイメージがしづらいです。それゆえ、初心者にとって掴みどころのない印象になりがちなのではないかと思います。
ただ、ざっくりいうと、AWSで提供されているサービスはビジネスシーンで役に立つものが多いです。
サービス名 | 概要 | 説明 |
---|---|---|
Amazon EC2 | 仮想サーバ | サーバの台数やメモリ、CPUを柔軟に変更できる |
AWS Lambda | プログラム実行 | 環境構築不要でプログラムを実行できる |
Amazon Personalize | AI(機械学習) | 「こちらもおすすめ」などのレコメンド機能 |
Amazon S3 | ストレージ | 普段使いからバックアップやアーカイブ等に使われる 保存したファイルをネット上にそのまま公開したりできる |
Amazon RDS | データベース | オンプレミスに比べてセットアップ・管理が簡単 |
AWSを使うことのメリットは?
AWSにはたくさんのクラウドサービスが存在することが分かりました。でも、AWSを使うことのメリットって何なのでしょう?
先ほどの図にあった「プログラム実行」は、自分のPC上でもできますし、サーバーだって自分で立てようと思えば立てられます。「正直、AWSを使うメリットが分からないんだけど!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
わたしたちが楽できるようにしてくれる
AWSで提供されるサービスに共通して言えるのは、クラウドの強みを存分に発揮し、わたしたちが楽できる環境を提供しているということです。
AWSなら環境構築不要でプログラムを動かせる
例えば、AWS Lambdaでは、ネット上でプログラムを実行することができます。PythonやC#などでプログラムを実行させるには、本来なら環境構築が必要です。これがAWS Lambdaなら不要なので、プログラムを書くことにリソースを割くことができます。
AWSならサーバー管理が楽
EC2では仮想サーバを構築できます。自社にサーバールームを立てる場合、物理的なスペースも管理コストもかかります。対して、仮想サーバーならスペースの確保が不要で、必要に応じてボリューム変更も可能です。
豊富なサービスを自由に組み合わせて使える
AWSで提供されているサービスは200種類以上あり、それらを自由に組み合わせて使うことができることもメリットと言えます。
ストレージは〇〇社のサービス、データベースは××社のサービス、サーバは△△社のサービス・・・とサービスごとに提供元が異なる場合、それぞれを連携させることが難しい場合や、運用が複雑になる場合もあります。
AWSのサービスを組み合わせて使うことで管理・運用の負担を下げることができ、また、AWSの提供する様々な最新技術を取り入れることで、新たなアイディア・サービスが生まれやすくなることが期待できます。
料金は?
AWSがなんだか便利そうだということが分かりましたが、肝心の料金はどんなかんじなのでしょうか?
登録料金は無料
AWSアカウントを作成するにあたって料金は一切かかりません。しかし、クレジットカードの登録が必ず必要となります。
これがあとから説明する無料利用枠とも関わってくる部分になります・・・
AWSは「従量課金制」使った分お金がかかる
AWSは使ったぶんだけお金がかかる「従量課金制」です。最近はサブスクだったり月額制のサービスが主流なので、従量課金制と聞くと個人的にはビビっちゃいます(使うのやめようかなーと思うレベル)。
しかし、実際の料金を調べてみると、ストレージ代が1ヶ月40円程度(10GBの場合)、仮想サーバ代は1時間2円だったりと、そこまでぶっ飛んで高いわけではないようです。ドルベースで料金が決まるので円安の影響受けまくりですが。。。
ちなみに料金計算は「ざっくりAWS」というサイトで行えました。公式のより分かりやすいです。
無料利用枠が用意されている
AWSには無料枠が用意されています。
無料トライアル
「無料トライアル」は、短期間の無料利用ができます。期間は1時間~2か月くらいです。
12か月間無料
「12か月間無料」は、名前のとおり12ヶ月間無料です。
人気のサービスであるEC2やS3も12ヶ月間無料の対象のようです。
常に無料
常に無料のサービスには、先ほど紹介した「AWS Lambda」も含まれています。
無料枠超えたら課金されるので注意!
無料枠を超えると従量課金制に従って課金されます。
AWSは、アカウント作成時に必ずクレジットカードの登録が必要となっていますので、無料利用枠を超えた分の料金はこちらで決済されます。無料分のみ使っているつもりでも、気づかぬうちに料金が発生していたという事態にならないよう注意が必要です。
しかし、AWSで上限設定してそれ以上使わないようにすることはできないようです。「AWS Budgets」という予算設定をしてアラートを設定することはできるので、これを設定するのが良さそうです。
安全性は大丈夫なの!?
AWSって便利そうだし、無料枠があるみたいだし、使ってみたいかも。
でも・・・安全性は大丈夫なの!?!?
AWSのデータセンターについて
サーバールームだったり自分のPCだったり、物理的にモノが存在するとなんとなく安心感がありますよね。クラウドは手元にデータがないので大丈夫かな・・・と思ってしまいますが、クラウドサービスにおけるデータの実体は「データセンター」という施設内にあります。
データセンターは世界各地に存在し(日本にもあります)、災害発生時にはデータの転送およびレプリケーション(複製)を行います。
下記リンクを見ても分かるとおり、AWSのデータセンターのほうが自社内のサーバールームよりセキュリティ面でもインフラ面でも安心できるのではないかと思います。
参考:https://aws.amazon.com/jp/compliance/data-center/data-centers/
AWSは全てのセキュリティの責任を担保しない
AWSは、セキュリティ対策を「責任共有モデル」で行っています。
この共有モデルでは、OSよりも上のレイヤー(ネットワークの設定や、自分が入れたアプリケーション等)についてはユーザーが責任を持つということになります。AWSはデータセンターや物理インフラ等について責任を持ちます。
参考:https://aws.amazon.com/jp/compliance/shared-responsibility-model/
気を付けたいセキュリティリスク
AWSを使う上で、先ほどの共有モデルにもある通りわたしたちはOSよりも上のレイヤーに関しては責任があります。その際、気を付けるべきセキュリティリスクは、AWSに限らずクラウドサービス全てに共通するものです。以下に代表的なものを記載します。
不正アクセス
AWSへのログインは、IDとパスワードさえあれば誰でもできてしまいます。そのため、退職した社員のアカウントを残しておくと情報が外部に漏れたり、データを破壊されたりする危険性があります。複数人で同じアカウントを使いまわすなども好ましくありません。
これについては、多要素認証(合言葉とか指紋認証とかIDとか、その人しか分からないもの)にするのがベストプラクティスだとされています。
サイバー攻撃
サイバー攻撃とは、インターネットを通して行われる攻撃のことです。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど様々な種類があり、かつ、日々その手法は巧みになっています。
これらの代表的なサイバー攻撃への対策に加えて、セキュリティソフトの導入やログの監視等の対策、アカウントの適切な発行・管理を行うことが大切です。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 安全なウェブサイトの作り方
「AWSとはなにか」まとめ
改めて、AWSとは何かをまとめます。
- AWSとは、Amazonが提供するクラウドサービス
- 200以上のサービスがあり、ビジネスシーン向けのものが多い
- 登録は無料、無料利用枠あり、従量課金制
多種多様なサービスを自由に組み合わせることができ、目的に応じてサーバーやDBのスペックを柔軟に変えることができる。そして高いセキュリティレベル。
AWSが様々な企業に導入されている理由がやっと分かりました。。
あとがき
今回は、「Amazon AWSとはなにか?」というのを初心者の方向けに解説しました。なるべくわかりやすく説明したつもりではありますが、どうしても専門用語が多く、誰でも分かる内容になったか不安です。私の父がよく「難しいことを誰でも分かるように説明できる人こそ、本当に賢い人だ」と言っていますが、本当その通りだなと思いました。説明って難しい。
私自身、AWSについてあまり分かっていなかったので、今回いろいろ調べてざっくり理解することができたので良かったです。前々からAWSというワードは社内やネットなどで目にしていて、いつも「Amazonのなんかサービスなんだろな」程度で終わっていたので、今後は分からないことがあればこうしてちゃんと調べようと思います。
クラウドについては、以下記事にてよく出てくる用語のまとめを投稿しているので、是非あわせてご覧ください!
コメント