Amazon Web Service(AWS)の主要サービスについての解説

AWS

Amazon Web Service(AWS)における特に主要なサービスについて解説します。

はじめに

最近やたらとテレビやネット広告で目にすることが多くなっているAWS(Amazon Web Service)における主要なサービスについて解説します。

筆者が実際に利用したサービスについて都度説明を追加してきます。

そのため、すべてのサービスについて説明しているわけではありません。

Amazon Web Service(AWS)とは

Amazon Web Services(以下、AWS)は、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)が提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。

AWSは、幅広いクラウドサービスを提供し、企業や個人が柔軟性、拡張性、信頼性を持ったITインフラストラクチャやサービスを利用できるようにしています。
AWSでは、豊富なサービスと機能を提供しており、数百ものクラウドサービスを提供しています。

これらのサービスは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、アナリティクス、機械学習、人工知能、セキュリティ、開発ツールなど、さまざまな領域にわたります。

ここからは主要なサービスの解説になりますのでもっとざっくりした(より初心者向き)解説の解説は、以下のページにありますのでよろしければ参照ください。

また、クラウドでよく出てくる言葉を解説した記事もありますので、以降の説明でよくわからない単語が出てきた際に参照ください。

AWSは提供されているサービスの種類がとても多いです。そのため、自身がやりたいことに対して1つのサービスだけでなく、AWS内の複数サービスを組み合わせることで提供できる場合があります。例えば以下のような例があります。

  • 静的WEBページを公開したい場合、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)で仮想サーバを立ち上げて公開することができる
  • Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)上にウェブコンテンツをアップロードすることでWEBサイトを公開することができる

ちなみに、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)はECサイトですが、主要なコンテンツはAWSのサービスを利用して提供されています(参考記事)。

AWSに競合する主要なクラウド事業者として、Microsoftが提供しているMicrosoft Azure(Azure)、Googleが提供しているGoogle Cloud Platform(GCP)などあります。

主要なサービスの説明

以降に主要なサービスの説明です。

Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)

Amazon Elastic Compute Cloud(以下、EC2)はAWSの代表的なサービスでいわゆるIaaSです。
EC2はクラウドコンピューティングサービスで、仮想マシン(インスタンス)を作成・実行し、スケーラブルなコンピューティングリソースを提供します。
AWSのサービスの中でもかなり初期から提供されており、2006年8月にサービス提供が開始されています。

特徴

  • インスタンス(仮想マシン)の作成と管理

EC2では仮想マシン自体のことをインスタンスと呼びます。
EC2を使用すると、さまざまな仮想マシンを作成・設定できます。
インスタンスタイプ、オペレーティングシステム、ストレージタイプなど、さまざまなオプションを選択できます。
また、インスタンスの起動、停止、監視、スケーリングなどの管理も行えます。

  • スケーラビリティ

EC2はスケーラブルなリソースを提供するため、必要に応じてコンピューティング能力を増減することができます。
需要の変動やトラフィックの増加に対応するため、インスタンスの数やサイズを簡単に調整できます。

  • ネットワーキング

EC2は柔軟なネットワーキング機能を提供します。
インスタンスにはパブリックIPアドレスやプライベートIPアドレスを割り当てることができ、仮想ネットワーク(VPC)内でセキュアな通信を行うことも可能です。また、ロードバランサーやネットワークACLなどのネットワーキング機能も利用できます。

  • セキュリティ

EC2はセキュリティに重点を置いており、仮想プライベートクラウド環境を提供します。
仮想マシンのファイアウォール設定やセキュリティグループの管理、暗号化のサポートなど、さまざまなセキュリティ機能が利用できます。

用途

以下のような用途に利用されることが多いです。
ただし、一部の用途については、AWSの別サービスで提供することもできます。

  • ウェブアプリケーションのホスティング

EC2を使用して、ウェブサイトやウェブアプリケーションをホストすることができます。インスタンスの数やサイズを調整してトラフィックの変動に対応し、高可用性とスケーラビリティを実現します。

  • バッチ処理とデータ処理

EC2は大規模なバッチ処理やデータ処理にも適しています。例えば、大量のデータの処理、画像やビデオの変換、機械学習のトレーニングなどを行うことができます。

  • データベースサーバ

EC2上でデータベースサーバーを実行することも可能です。例えば、MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどのデータベースをEC2上で構築し、データの安全性とパフォーマンスを確保することができます。

  • アプリケーション開発環境

EC2は、アプリケーションの開発、テスト、ステージング環境の構築にも利用されます。開発者は必要な環境を迅速に作成し、開発プロセスを効率化することができます。

  • バックアップとアーカイブ

EC2はデータのバックアップやアーカイブにも使用されます。データをEC2インスタンスに保存し、耐久性の高いAmazon S3などのストレージサービスと組み合わせることで、データの永続性と保護を確保することができます。

料金形態

EC2は実際に使用したリソースに対してのみ課金される従量制課金モデルを採用しているため、効率的なコスト管理が可能です。利用するリソースのスペックにより料金も変わります。

また、リザーブドインスタンスやスポットインスタンスなどの料金割引オプションも提供されています。

詳細な料金情報は以下のAWSの公式ドキュメントを参照してください。

Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)

Amazon Simple Storage Service(以下、S3)はAWSで最初に提供されたサービスで2006年3月からサービス提供を開始しています。
S3は高い耐久性、スケーラビリティ、セキュリティを備えた柔軟なオブジェクトストレージサービスであり、データの格納と取得を可能にするための高可用性と耐久性を持つストレージソリューションです。

特徴

  • オブジェクトベースのストレージ

S3はオブジェクトベースのストレージサービスであり、ファイルやデータをオブジェクトとして格納します。
各オブジェクトには一意のキー(URL)があり、このキーを使用してデータにアクセスします。

  • スケーラビリティと耐久性

S3は非常にスケーラブルであり、ペタバイト単位のデータを格納できます。
また、S3はデータを複数の物理的な場所に自動的にレプリケートすることで耐久性を確保します。
このため、データの損失や破損のリスクを最小限に抑えることができます。

  • データのセキュリティとアクセス制御

S3はデータのセキュリティに重点を置いており、さまざまなセキュリティ機能を提供します。
データの暗号化、アクセスコントロールリスト(ACL)、IAMロール、バケットポリシーなどを使用して、データへのアクセスを制御することができます。

  • データのバックアップとアーカイブ

S3はデータのバックアップやアーカイブにも適しています。
重要なデータやバックエンドデータベースのバックアップ、長期間保存する必要のあるデータのアーカイブなどに使用されます。

  • データの可用性と低遅延

S3は高い可用性と低遅延のデータアクセスを提供します。複数のリージョンにデータをレプリケートすることで、冗長性とデータの利用可能性を確保します。また、Amazon CloudFrontを使用することで、データの高速な配信を実現することもできます。

用途

一部の用途については、AWSの別サービスで提供することもできます。

  • 静的ウェブサイトのホスティング

S3は静的なウェブコンテンツ(HTML、CSS、JavaScript、画像ファイルなど)のホスティングに使用されます。S3にファイルをアップロードすると、公開されたURLが自動的に生成され、簡単にウェブサイトを公開することができます。

  • データの保存と共有

S3は大容量のデータを安全に保存し、必要な時にアクセスできるようにします。データをアップロードし、他のユーザーやシステムと共有することもできます。企業内でのファイル共有、バックエンドデータベースのストレージ、モバイルアプリのデータバックエンドなど、さまざまなデータストレージニーズに利用されます。

  • データバックアップと災害復旧

S3はデータのバックアップと災害復旧の重要な手段として使用されます。データをS3にバックアップすることで、データの損失や破損から保護されます。また、異なる地理的リージョンにデータをレプリケートすることで、災害時にもデータへのアクセスを確保できます。

  • ビッグデータ処理と分析

S3はビッグデータ処理や分析の基盤として使用されます。データをS3に保存し、AWSのデータ処理サービス(例: Amazon Redshift、Amazon Athena、Amazon EMR)と組み合わせることで、スケーラブルなデータ処理や分析を実行できます。

  • アーカイブと長期保存

S3は長期間データを保存するためのアーカイブストレージとしても活用されます。法的規制に基づくデータの保持、コンプライアンス要件の満たし、貴重なデータの長期保存を行うことができます。

料金形態

S3は使用したストレージ容量、データ転送量、リクエスト数などに基づいて課金されます。
詳細な料金情報は以下のAWSの公式ドキュメントを参照してください。

Amazon Elastic Block Storage(Amazon EBS)

Amazon Elastic Block Storage(Amazon EBS)はAWSが提供するブロックレベルのストレージサービスです。

ブロックレベルのストレージサービスというのは、ハードディスクやSSDのような物理的なデバイスにデータが保存されているというように言い換えることもできます。

特徴

  • 永続的ストレージ

Amazon EBS ボリュームは永続的なブロックストレージで、データはEC2インスタンスのライフサイクルとは独立して保持されます。つまり、EC2インスタンスを停止または終了しても、EBSボリュームのデータは失われません。

  • サイズ変更可能

ユーザーはEBSボリュームのサイズを増減させることができます。また、性能やスループットの要件に応じてボリュームタイプを選択することができます。

  • スナップショット

EBSボリュームのデータをAmazon S3にスナップショットとしてバックアップすることができます。これを利用して、新しいEBSボリュームを作成する際のベースとして使用することも可能です。

  • 高い耐久性

EBSボリュームは、データの堅牢性と可用性を確保するために、そのデータを複数の物理的ディスクに自動的に複製します。

  • 様々な種類

いくつかのEBSボリュームタイプがあり、ユースケースや性能要件に応じて選択できます。

  • 暗号化

EBSボリュームは、Amazonの管理するキーまたはカスタムキーを使用して暗号化できます。これにより、データの安全性とプライバシーを高めることができます。

用途

  • EC2インスタンスのルートボリューム

EBSをEC2インスタンスのルートボリューム(OSがインストールされているボリューム)として使用することで、インスタンスの停止、再起動、終了後もデータの永続性を確保できます。

  • データベース

EBSは高いIOPS(Input/Output Operations Per Second)を提供することができるため、リレーショナルデータベース(RDSなど)、NoSQLデータベースなど、I/Oが集中するデータベース用のストレージとして利用されます。

  • アプリケーションホスティング

EBSはアプリケーションやミドルウェアのデータを保存するためのストレージとしても利用されます。

  • バックアップと復元

EBSボリュームのスナップショットを取得し、それをAmazon S3に保存することで、バックアップやディザスタリカバリのソリューションとして使用されます。

料金形態

Amazon EBSは使用するストレージタイプやデータ容量やアクセス頻度などに基づいて課金されます。

詳細な料金情報については、AWSのドキュメントを参照してください。

Identity and Access Management(IAM)

AWS上でのセキュリティーサービスの1つですが、Identity and Access Management(以下、IAM)は少し特殊なサービスです。


IAMはAWSリソースへのアクセス制御と認証を管理するためのサービスです。
例えば、EC2インスタンスの起動や終了が誰でもできると困るので、そのような権限を持った人だけEC2インスタンスの操作ができるといったことができます。

機能と特徴

  • ユーザーとグループの管理

IAMを使用すると、AWSアカウント内のユーザーとグループを作成・管理することができます。
それぞれのユーザーには一意の認証情報が割り当てられ、必要な権限を持つグループにユーザーを所属させることができます。

  • ロールベースのアクセス制御

IAMでは、ロールと呼ばれる一時的なセキュリティ資格情報を使用して、アクセス制御を行います。
ロールは特定のタスクやリソースへのアクセス権限を付与し、AWSリソースやアプリケーションに対する安全なアクセスを提供します。

  • ポリシーベースのアクセス制御

ロールの他にもポリシーを使用してアクセス制御を定義することもできます。ポリシーはJSON形式で記述され、ユーザー、グループ、ロールに関連付けられます。ポリシーには許可されるアクション、リソースへのアクセス条件、拒否されるアクションなどを設定することができます。

  • 多要素認証(MFA)のサポート

IAMでは、ユーザーアカウントへのアクセスに対して多要素認証(MFA)を強制することができます。
MFAを有効にすることで、追加のセキュリティレベルを提供し、不正なアクセスを防ぐことができます。

  • 監査とログの追跡

IAMは、アクセス活動の監査とログの追跡をサポートします。
IAMユーザーやロールによるアクセスイベントやAPI呼び出しのログを取得し、セキュリティ上の問題を特定したり、アクセスパターンを分析したりすることができます。

  • AWSサービスとの統合

IAMはAWSサービスとのシームレスな統合を提供します。IAMロールを使用して、EC2インスタンス、Lambda関数、S3バケットなどのAWSリソースへのアクセス権限を付与することができます。また、AWSの他のセキュリティサービスとも連携し、IAMのポリシーで詳細なアクセス制御を行うことができます。たとえば、CloudTrailを使用してIAMアクションのログを取得し、セキュリティポリシーの検証やアクティビティのトラッキングが可能です。

  • 外部IDプロバイダーとの連携

IAMは外部のIDプロバイダ(Identity Provider)と連携することができます。
SAML 2.0やOpenID Connectなどの標準プロトコルを使用して、企業内の既存の認証システムと統合することができます。これにより、既存のユーザーアカウントや認証メカニズムを使用してAWSリソースにアクセスすることができます。

  • パスワードポリシーとセキュリティベストプラクティス

IAMはパスワードポリシーを設定することができます。パスワードの最小長や複雑さの要件、パスワードの有効期限などを指定することができます。また、IAMはセキュリティベストプラクティスを推奨し、セキュリティ上のリスクを最小限に抑えるためのガイドラインを提供します。

料金形態

IAMで作成するロールなどについては無料です。
ただし、データの記録など関連するサービスについて考慮しないと、課金されたりします(参考記事)。

Elastic IP(EIP)

Elastic IP(以下、EIP)はAmazon Web Services(AWS)のサービスであり、EC2インスタンスに固定された静的なパブリックIPアドレスを提供する機能です。
EC2インスタンスはデフォルトでは起動終了するたびにIPアドレスが変わります。
デバッグ目的などなら別に良いですが、サービスとして提供したい場合は、固定IPでないといろいろ困ることになると思います。EIPはこれらを解決するのに利用します。

特徴

  • 静的なパブリックIPアドレス

EIPは、EC2インスタンスに静的なパブリックIPアドレスを割り当てます。
通常、EC2インスタンスは起動ごとに新しいパブリックIPアドレスが割り当てられますが、EIPを使用することで、インスタンスに固定されたIPアドレスを保持することができます。これにより、EIPを割り当てたEC2インスタンスが再起動された場合でも、EIPはインスタンスに保持され、再起動後も同じパブリックIPアドレスを維持することができます。

  • ネットワーク利用の柔軟性確保

EIPは、例えば、EC2インスタンスをVPCからクラシックネットワークに移動させる場合でも、保持することができるため、柔軟性があります。

  • NATゲートウェイとしての使用

EIPは、インターネットからのトラフィックをプライベートサブネットに転送するために、NATゲートウェイとしても使用できます。これにより、プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットにアクセスできるようになります。

  • DNSレコードの更新の容易性

EIPというよりも固定IPの特徴です。

EIPを使用することで、ドメインネームシステム(DNS)レコードの更新が容易になります。EIPは固定されたIPアドレスなので、ドメイン名をEIPに関連付けることで、ドメインのIPアドレスが変更されてもDNSレコードを更新する必要がありません。

  • セキュリティグループの制限

EC2インスタンスに割り当てられたEIPを使用することで、セキュリティグループのアウトバウンドルールに特定のIPアドレスを制限することができます。これにより、アウトバウンドトラフィックを特定のIP範囲に制限するセキュリティポリシーを実装できます。

用途

  • パブリックなアプリケーション

EIPは、パブリック(インターネット)からアクセス可能な固定IPアドレスを提供します。ウェブサーバー、APIサービス、メールサーバーなど、インターネット経由でアクセスされるアプリケーションに使用することができます。

  • サーバ移行時の冗長性確保

サーバーの移行や冗長性を確保するために、EIPを使用することがあります。
例えば、アプリケーションのアップグレードや障害があった際のフェイルオーバー時に、EIPを別のEC2インスタンスに割り当てることで、サービスの停止時間を最小限に抑えることができます。

  • メール送信

固定されたIPアドレスは、信頼性の高いメール配信を確保するために重要です。そのため、EIPを使用してメール送信を行うこともあります。EIPを持つEC2インスタンスは、メールサーバーやメール配信サービスとして使用されることがあります。

料金形態

EIPは、割り当てられたIPアドレスを使用している期間に対して料金が発生します。
ただし、EC2へのインスタンスの割り当て状態やインスタンスの稼働状態、割り当てられているEIPの数などで適用される料金が変わります。
詳細な料金情報については、AWSのドキュメントを参照してください。

Route 53

AWSにおけるマネージドDNS(Domain Name System)サービスです。
Route 53は、ドメインの登録、ドメイン名の管理、DNSレコードの設定、トラフィックのルーティングなど、さまざまなDNS関連の機能を提供します。
「53」というのは、DNSのポート番号に由来しています。DNSは、ドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理するための仕組みであり、通常はポート番号53を使用して通信が行われます。
Route 53は、DNSに関連する機能を提供するために開発されたサービスであり、ドメインの登録、DNSレコードの設定、トラフィックのルーティングなどをサポートしています。

特徴

  • ドメイン登録と管理

Route 53で新しいドメインを登録したり、既存ドメインをAWS上で管理することができます。
ドメインの登録、更新、変更、解放などが簡単に行えます。

  • DNSレコードの設定

DNSレコードを設定し、ドメイン名をAWSリソース(例:EC2インスタンス、S3バケット、Elastic Load Balancerなど)に関連付けることができ、Aレコード、CNAMEレコード、MXレコード、TXTレコードなど一般的なDNSレコードタイプが使用できます。

  • ハイパフォーマンスとスケーラビリティ

グローバルなDNSサービスとして設計されており、高速かつ信頼性の高い名前解決を提供します。
世界中のエッジロケーションにディストリビュートされたサーバーインフラストラクチャを使用して、低遅延でクエリを処理します。
また、大規模なトラフィックやドメインの成長に対してもスケーラブルな性能を提供します。

  • トラフィックルーティングとロードバランシング

トラフィックのルーティングやロードバランシングの機能があります。
異なるリージョンやエッジロケーションにある複数のAWSリソース間でトラフィックを分散させることもできます。重み付けルーティング、フェイルオーバールーティング、地理的ルーティングなど、さまざまなルーティングポリシーを設定することができます。

  • ヘルスチェックとアラート機能

Route 53は、ヘルスチェック機能を提供し、Webサーバーやロードバランサーなどのエンドポイントの可用性を監視することができます。可用性の低下や障害が検出された場合、アラームをトリガーして通知することができます。

料金形態

ホストゾーンの管理、DNSクエリへの応答、ドメイン名の管理の3つに対して料金が加算されます。

詳細な料金情報はAWSの公式ドキュメントを参照してください。

Amazon EventBridge

Amazon EventBridgeはAWSのイベントバスサービスで、異なるシステム間でのイベントの受け渡しや処理を簡素化し、システムの柔軟性、拡張性、可用性を向上させることができます。
イベントの生成、ルーティング、処理、監視に使用することができ、アプリケーションのマイクロサービス化やイベントドリブンなアーキテクチャの実現に役立つ柔軟でスケーラブルな統合ツールです。

特徴と機能

特徴と機能を分けることが難しいので、この章は一括して記載します。

  • イベント駆動型アーキテクチャ

アプリケーションやサービス間のイベント駆動型の統合を実現します。AWSサービスやカスタムアプリケーションがイベントを生成し、EventBridgeを介してイベントを受け取ることができます。
これにより、アプリケーションやサービス間の疎結合な統合が可能になります。

  • 多種多様なイベントソースとターゲット

EventBridgeでは、さまざまなイベントソース(例:AWSサービス、SaaSアプリケーション、カスタムアプリケーション)からのイベントを受け取ることができます。
受け取ったイベントは、イベントルールを使用して特定の条件に基づいてルーティングされ、1つ以上のターゲット(例:AWS Lambda関数、Amazon SNSトピック、Amazon SQSキュー)に送信されます。

  • イベントルール

EventBridgeでは、イベントルールを作成して、受信したイベントを特定の条件に基づいてフィルタリングやルーティングできます。
イベントルールは、イベントのパターンや特定のイベント属性に基づいて設定できます。ルールに一致するイベントは、指定したターゲットに送信されます。

  • 可視性と監視

EventBridgeは、イベントの可視性と監視をサポートします。
イベントのフロー、処理の状態、エラーの検出などに関する詳細な監視とログ記録が可能です。
CloudWatch LogsやCloudTrailと統合してイベントの監視やログの収集を行うことができます。
また、EventBridgeは、イベントの統計情報やメトリクスを提供し、ダッシュボードやアラームを設定してリアルタイムの監視を行うことも可能です。

料金形態

イベントの種類や回数などによって料金が変わります。

詳細な料金情報はAWSの公式ドキュメントを参照してください。

AWS CloudTrail

AWS CloudTrailは、AWSアカウント内でのアクティビティを記録し、監査とセキュリティの目的で使用することができるサービスです。CloudTrailは、AWSマネージメントコンソール、AWS CLI、AWS SDK、AWSサービスなど、AWSリソースへのアクセスや操作の履歴を自動的に収集します。

特徴と機能

特徴と機能を分けることが難しいので、この章は一括して記載します。

  • アクティビティの記録

CloudTrailは、AWSアカウント内で行われる各種アクションやイベント(例:リソースの作成・変更・削除、IAMユーザーのログイン、セキュリティグループの変更など)を自動的に記録します。この記録は、操作が行われたアカウント、リージョン、タイムスタンプなどの情報とともに、Amazon S3バケットに保存されます。

  • 監査とコンプライアンス

CloudTrailは、AWSアカウントのセキュリティとコンプライアンスにおいて重要な役割を果たすサービスです。アカウント内のアクティビティを透明に記録し、監査やセキュリティインシデントの調査に役立つ情報を提供します。
また、リアルタイムの監視やアラーティング機能も備えており、セキュリティ対策を強化するための重要なツールとなっています。

  • 監視とアラート

CloudTrailは、アクティビティの監視とリアルタイムのアラート機能を提供します。
CloudTrailイベントに対してアラームを設定することで、特定のイベントや条件が発生した際に通知を受けることができます。
これにより、セキュリティ違反や意図しない変更などに迅速に対応することが可能です。

  • 連携と分析

CloudTrailは、AWSの他のサービスとの連携を意識して提供されているサービスです。
たとえば、CloudTrailのログはAWS CloudWatch Logsに送信され、リアルタイムの監視や分析が可能です。
また、AWS Lambdaを使用してCloudTrailログをトリガーとして自動化されたアクションを実行することもできます。

  • グローバルな対応

CloudTrailは、AWSアカウントが利用可能なすべてのリージョンで利用することができます。
つまり、AWSのどのリージョンでもCloudTrailを活用してアクティビティの記録と監査を行うことができます。

  • カスタムイベント

CloudTrailは、AWSサービスのデフォルトのイベントだけでなく、カスタムイベントの記録もサポートしています。カスタムイベントを使用すると、アプリケーションやシステム内で発生する特定のイベントを追跡し、記録することができます。

  • AWSリソースの変更追跡

CloudTrailは、AWSリソースの変更履歴を提供します。
たとえば、IAMロールやセキュリティグループなどの変更が行われた場合、それに関する情報がログに記録されます。これにより、リソースの変更の履歴を追跡し、問題のトラブルシューティングやコンプライアンス要件の準拠が容易になります。

料金形態

連携するサービスや取り込む数やデータ量などにより料金が変わります。

詳細な料金情報はAWSの公式ドキュメントを参照してください。

AWS Cloud9

AWS Cloud9はAWSが提供するクラウドベースの統合開発環境(IDE)です。

統合開発環境(IDE)とは、ソフトウェアの開発を行うためのコードエディタ、コンパイラやインタプリタ、デバッガ、テストツールなどの機能やツールを統合して使用できるようにした環境のことを言います。

特徴と機能

特徴と機能を分けることが難しいので、この章は一括して記載します。

  • ブラウザベースで機能する

AWS Cloud9 は完全にクラウド上で動作するため、ブラウザがあればどこからでもアクセスして開発作業を行うことが可能です。そのため、特定のソフトウェアをローカルマシンにインストールする必要などはありません。

  • 統合されたターミナル

AWS Cloud9 には、完全な bash シェルが組み込まれているため、AWS サービスやその他のコマンドラインツールを直接IDE内で使用することができます。

  • リアルタイムのペアプログラミング

複数の開発者が同じ環境やコードベースで同時に作業することができるため、リアルタイムでの協力やペアプログラミングが簡単になります。

  • AWSサービスとの統合

AWS Cloud9はAWSサービスと密に連携が可能なので、例えばAWS LambdaやAmazon EC2などのサービスを簡単に利用した開発やデプロイが可能です。

料金形態

Cloud9自体には料金はかかることはありません。

ただし、Cloud9はEC2インスタンス上で動作させるサービスなので、EC2インスタンス代がかかります。また、データを保存するためにAmazon EBSを利用しますので、その文の料金が加算されます。

ただし、公式ページにあるように、通常の利用範囲であれば、上記の金額は微々たるもので済むと思います。

まとめ

今回は、AWSにおける各種サービスについて解説しました。

各サービスの使い方や詳細については、また改めて記事を更新できたらと思います。

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