今回は、Google Apps Script(GAS)のライブラリについて、ライブラリとは何か、ライブラリの使い方等を解説したいと思います。
GASのライブラリとは?
「ライブラリ(library)」とは、よく使うプログラムをひとまとめにしたファイルのことです。
C言語でいう「#include」、Pythonでいう「import」です。プログラミングを習ったことのある方はピンと来たかと思いますが、初心者の方向けにもう少し分かりやすく解説します。
ライブラリ=よく使う機能の詰め合わせセット
たとえば、カレーを作るとします。
ライブラリを使わない場合、具材を洗って、切って、煮て・・・という一連の作業は全て自分で行う必要があります。いっぽう、ライブラリを使うと、具材さえライブラリに渡せば、あとは全てライブラリがやってくれます。
他にも、シチュー、ハンバーグ、親子丼・・・など、よく作る料理を予めライブラリとして用意しておけば、実際に作るときにライブラリを呼び出すだけで簡単に作ることができます。
GASには、スクレイピングに適した「Parserライブラリ」や、Google Driveでのファイル作成・保存ができる「Drive API」など、便利なライブラリが用意されています。
GASのライブラリの使い方
GASのライブラリを使うには、ライブラリの追加が必要です。
追加せずにライブラリ関数を使用しようとすると、以下のようなエラーが発生します。
ReferenceError: [ライブラリ名] is not defined
ライブラリの追加
Google Apps Scriptを開き、任意のプロジェクトを作成します。
左側メニューにある「ライブラリ」を押下します。
以下のようなダイアログが表示されます。
ここに、使いたいライブラリのIDを入力して追加します。
ライブラリのID一覧は、以降に記載します。
GASのライブラリ一覧
Momentライブラリ ー日時計算
Momentライブラリは、日付や時刻の計算を楽にできるライブラリです。GASには標準でDateオブジェクトが用意されていますが、これがちょっと扱いづらいんです(Dateオブジェクトによる日付の操作はこちら参照)。日時に関する計算をしたい場合におすすめです。
Parser ースクレイピング
Parserライブラリは、Webページのスクレイピングに便利なライブラリです。
OAuth2 ーアクセス権限の認可
OAuth2ライブラリは、異なるサービス間で、アクセス権限の認可を行うためのライブラリです。FacebookやX(Twitter)などに使われています。
以下記事ではOAuth2ライブラリを使用してGAS×X(Twitter)で定期自動ツイートする方法を解説しています。
ImgApp ー画像リサイズ
ImgAppは、画像のリサイズや画像サイズの取得を行うためのライブラリです。以下記事では、画像を一括でリサイズする方法を解説しています。
Underscoreライブラリ ー配列・オブジェクト操作
Underscoreライブラリは、配列・オブジェクトの操作、関数に関するライブラリです。標準ライブラリで実装するよりも簡単に操作することができるようになります。
BetterLog ースプレッドシートへのログ出力
Console.logやLogger.logでログ出力すると、実行するたびに過去のログは消えてしまいます。このライブラリを追加すると、スプレッドシートに自動的にログが記録されるようになります。
SlackApp for Google Apps Script ーSlackとの連携
Slackとの連携を容易に行うためのライブラリです。GASでSlack botを作成したい方におすすめです。
ChatWorkClient for GAS ーChatWorkとの連携
ChatWorkとの連携を容易に行うためのライブラリです。
spreadsheets-sql ースプシ操作をSQLで行う
スプレッドシートの更新・変更・削除をSQLで行うためのライブラリです。スプレッドシートをデータベースとして扱いたい方におすすめです。
QualityForwardライブラリ ーテスト自動化
QualityForwardは、クラウド型のテスト管理ツールです。有料ですが、リアルタイムのレポートを自動作成してくれたり、RedmineやJIRAとも連携できます。GASでがっつり開発している場合には役立ちそう。
GASライブラリの探し方
GASのライブラリって、追加時はライブラリ名で検索できずIDを入力するしかないので探すのが大変です。基本的には前項で挙げたライブラリ以外はそんなに使う機会は無いとは思いますが、他にもGASで使えるライブラリがありますので、その一覧が載っているサイトを以下に載せておきます。
Google Apps Script Library Database
スプレッドシートで一覧になっており、ID、概要、Githubのリンク等が載っています。英語ですがこのサイトが一番詳しそうだったので共有します。
ParserライブラリやMomentライブラリなどのよく使われるライブラリについては、日本語でソースコード付きで解説しているサイトが多くありますので、そちらを参考にしたほうが分かりやすいかなと思います。
まとめ
今回は、Google Apps Script(GAS)のライブラリについて解説しました。
自分で一から書くよりも時短できるので、使えるところはどんどん活用することをおすすめします。当ブログでも、ライブラリを使用して処理を実現しているものが多くありますので、是非参考にしていただければと思います。
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