今回は、Google Apps Script(GAS)について、
- GASの求人ってあるの?
- GASって就職・転職活動に使えるの?
- GASを勉強する価値ってあるの?
上記についてまとめたいと思います。
GASの求人はあるの?
そもそも、GASの求人はあるのかどうかを検証します。
勤務形態別の求人数
以下は、勤務形態別の求人数になります。2023/08/04現在のデータです。「Google Apps Script」で検索した結果になります。
求人サイト | 形態 | 求人件数 |
---|---|---|
マイナビ | 正社員 | 2件 |
doda | 正社員 | 75件 |
indeed | パート | 806件 |
エンゲージ | パート | 16件 |
CrowsWorks | クラウドソーシング | 9件 |
Lancers | クラウドソーシング | 248件 |
けっこう多いように見えますが、「Python」で検索するとdodaで6,977件、indeedでは18,182件ヒットしました。
「GASエンジニア」としての採用はほぼない
「Google Apps Script」というワードでの求人はあるにはあるものの、いくつか内容を見てみるとGASメインというわけではなく、社内で使う言語のうちの一つというケースが多いです。
GASをメインに使う場合であっても、自動化・効率化が目的であったり、RPAエンジニアとしての採用が目立ちました。PythonやJavaなどのプログラミング言語を使ういわゆる「エンジニア」としては確立していない印象を受けました。
ちなみに、私が以前勤めていた会社の求人も出てきましたが、募集している部署はGASは一切使っていませんでした。検索に引っかかるようにプログラミング言語やツールを羅列している例もありそうです。
転職に使えるの?
これまでのことを踏まえると、就職・転職活動にはあまり使えなさそうというイメージを抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのとおり、GASだけでは転職に有利にはならないでしょう。
GASだけでは、です。
GASは知名度・使用率が低い
では、なぜGASだけでは就職・転職活動に不十分かというと、GASは他のプログラミング言語よりも知名度が低いからです。
厳密にいうと、GASはGoogleのサービスを自動化・拡張したりするためのプラットフォームであり、ひとつのプログラミング言語であるという認識は薄いです(参考)。PythonやJavaなどは様々なプラットフォームで使われるのに対して、GASは使用範囲が限定されるため、使用率も低いのが現状です。
「JavaScriptがちょっと出来ます」のほうがアピールになる
GASは、JavaScriptベースのプログラミング言語です。そのため、基本的な概念や文法は共通するものがあります(GASとJSの違いはこちら参照)。
そのため、GASができればJavaScriptの基本機能(if文、演算子など)・組み込みオブジェクト(Mathオブジェクト、Arrayオブジェクトなど)が理解できていると言えます。
それに加えて、ブラウザやサーバーでのJS開発におけるパターン、ライブラリなどを学べば「JavaScriptの基本は分かります」とアピールすることができるでしょう。
そもそも「GASエンジニア」って名乗っていいの?
あくまでGASはひとつのツールなので、転職活動の場で「GASエンジニア」であることをアピールしてもいまいち響かないと思います。
もし、「歓迎条件」にGASについて記載があれば全面にアピールして良いと思いますが、あくまで使用言語のひとつとして羅列されている場合はおすすめしません。
ただ、個人で仕事をしている方や、スキルマーケット、クラウドソーシングなどでは「GASエンジニア」として活躍されている方も沢山いらっしゃいます。このような場ではGASエンジニアというポジションが確立されていると言えるでしょう。
じゃあ、GASを勉強するのって意味あるの?
「GASだけじゃアピールにならないなら、最初からPythonの勉強するわ!!!」という声が聞こえてきました。確かにPythonは需要の高い、最近人気の言語です。
しかし、GASを勉強することが無意味というのは全くありません。以下に、GASを勉強するメリットを記載します。
プログラミング初心者の初めの一歩に最適
GASは、プログラミングをやったことのない人が最初に学ぶプログラミング言語としておすすめです。PythonやJavaなど多くの言語では、最初に環境構築という作業が必要です。パスを通したり、仮想環境を整えたり、プログラムが実行できるようにいろんな設定をしますが、これが難しく感じる方も多いと思います。
いっぽう、GASは環境構築が要りません。GoogleアカウントさえあればスマホやタブレットからでもGASを動かすことができます。何事も、初めは簡単なものから手をつけるのが継続のコツです。GASは、そのような点においても初心者の方におすすめと言えます。
挫折しない勉強方法
GASの挫折しない勉強方法について、以下記事で紹介しています。
Googleサービスとの連携で多様なツールが作れる
GASは、GoogleスプレッドシートやGoogleフォーム、GmailなどのGoogleの各種サービスと連携することができます。これにより、定例作業の自動化、メールの自動送信、勤務表の管理など、様々な機能を作ることができます。
また、TwitterやLINE、slackなどの外部サービスと連携することで、Twitterやslackへの自動ツイートや、LINEボットの作成も可能です。
このように、様々なサービスと連携させた機能を作ってみることで、単に文法の勉強をするよりもより実践的な内容を学ぶことができます。
GASをマスターしたら違う言語にチャレンジ
GASで基本的なプログラミングのやり方が分かったら、PythonやJavaなどのプログラミング言語にチャレンジしてみましょう。きっと、ゼロから挑戦するよりもハードルが下がっているはずです。
就職・転職に向けてなにをしたらいい?
GASのほかに、PythonやJavaなどのプログラミング言語をある程度触れる状態であれば、未経験採用なら十分だと思います。さっそく求人サイト・エージェントに登録して気になる会社をチェックしてみてください。
まだ転職はするつもりないけど、自分のスキルがどの程度通用するのか客観的に判断してもらいたい。そんな場合は、IT系に強い転職サイトに登録して、カウンセリングだけでも受けてみると良いかと思います。
IT系に強い転職サイト・エージェント
いざ就活・転職活動しようとなったとき、おすすめとなる転職サイト・エージェントを紹介します。
リクルートエージェント
私自身、転職時にリクルートエージェントを利用しました。エンジニア就職に強いエージェントが在籍しており、希望を細かく確認しながら手厚くサポートしてくれてとても頼もしかったです(気に入らない場合はチェンジしてもらうことも可能)。
doda
今年、転職活動(データサイエンティスト職)をした夫が使っていたのがdodaです。こちらもエンジニア転職に強いエージェントが在籍しています。リクルートエージェントよりは最低限のサポートという感じですが、エンジニア志望の方はむしろこっちのほうが好みかも・・・!?
まとめ
今回は、Google Apps Script(GAS)の求人はあるのか、転職に使えるのか、勉強する価値があるのかなどについて解説しました。
PythonやJavaなどのプログラミング言語に比べると募集は少ないけれど、未経験からエンジニアになりたい方にとって、最初に学ぶものとして大変おすすめです。GASのスキルは、Excel VBA、各種RPAツール(Power Automate)にも活かすことができます。
当ブログでは、GASについての様々なアイディアをまとめていますので、是非参考にしてみてください。
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