私は文系の大学を卒業後、新卒でSEになりその後何度か転職をしました。転職活動をするにあたり、一番時間がかかるのは企業研究ですよね。面接に向けて志望動機や質問を考えるのは正直けっこうしんどいです。仕事をしながらだとそんな時間なかなか取れません!!!
そこで、ChatGPTに転職活動のアシスタントになってもらおうと思います。本記事では、ChatGPTの効果的な活用法から、使う上での注意点、何をどこまでChatGPTに頼れるのかを詳しく解説していきます。
「転職活動の軸」は自分で考えること!
よし!転職するぞ!となったとき、転職活動の軸だけはしっかり考えておくようにしましょう。転職活動の軸というのは、簡単にいうと「絶対に譲れない条件」です。
転職サイトで自分に探すにせよ、エージェントに企業を紹介してもらうにせよ、軸が定まっていないと「なんとなく大手だから良いかも」「都心のお洒落なオフィスだし良さそう」など、なんとなくの雰囲気で選んでしまいがちです(どちらも経験談)。
例えば、以下のような方が転職活動を決意したとします。
ここで、
- ミドルの転職はこれまでのキャリアを重視されるが、転職しないとやりたいことは実現できないか?
- 同じ製造業で、データ活用部門じゃダメなの?
- どんなデータを扱いたいの?それによって実現したいことは?
というように、自問自答しながら軸を深堀りさせていきます。これをやっておくと、面接で質問された際にスムーズな回答ができます。
ChatGPTを有能なアシスタントにするために
ChatGPTはユーザーの質問力に回答のクオリティが大きく左右されます。こちらから適切な質問(プロンプト)を投げれば、ChatGPTは有能な就活アシスタントとして機能してくれます。
どのように質問すれば良いか分からない、的外れな回答しか返ってこないという場合は、以下の記事もあわせて参考にしていただければと思います。
ChatGPTに志望動機を考えてもらう
ChatGPTに志望動機を考えてもらう際の質問例です。
「以下の会社に転職する際の志望動機を考えて。」+会社の情報
会社の特徴や強みについては、会社のホームページから概要をコピーして貼り付けるか、自分で簡単にまとめてプロンプトに含めてください。この際、個人情報や機密情報を載せないよう注意してください。
上記の例をもとに、質問した結果は以下のとおりです。
箇条書きでいくつかポイントを教えてくれました。割と一般的な内容ではありますが、何もないところから考えるよりかはスムーズに志望動機を考えることができそうです。
ChatGPTに志望動機のレビューをしてもらう
ChatGPTは0→1は苦手ですが、1を50にすることは比較的得意です。この特徴を生かして、ChatGPTに志望動機のレビューをしてもらいましょう。
会社の情報+「以下の志望動機をレビューして。」
単に「志望動機をレビューして」と指示した場合、誤字・脱字の修正や、ごく一般的な内容に基づいた当たり障りのないレビューを返します。これでは志望動機のレビューにはなりませんので、以下のような構成で質問するようにします。
上記の構成をもとに、今回の例である35歳SEがデータサイエンティスト職に転職する際の志望動機をレビューしてもらいます。
以下がChatGPTの応答文です。ややわざとらしい部分がありながらも、与えた会社情報や応募要項に基づいて加筆・修正してくれています。
このまま出せるような完璧な内容ではありませんが、「求められる人材」にフォーカスして、より熱意の伝わる内容にはなっていると思います。
最近では紙の履歴書ではなく、データとして送付する会社がほとんどですので、志望動機に関してはこれを少し修正してそのまま使っても良いかもと思いました。書類選考は、これまでの経歴やスキルが合致しないとガンガン落とされるので、ここに時間をかけても勿体ないですしね。
ChatGPTに質問を考えてもらおう
ChatGPTに面接時の質問を考えてもらいます。
会社の情報+「上記の会社の面接で質問すべき内容は?」
先ほどと同様、会社の情報や募集要項を提示したうえで質問を作るよう指示します。
以下がChatGPTの応答文です。
今回の例では、会社情報として載せた情報が少ないため、評価制度や研修制度など、ホームページを見れば分かるような内容も含まれてしまっています。ホームページやメール等に記載されている内容を質問するのはアウトなので、公開されている情報から分からない内容であるかどうかを確認するようにしましょう。
ChatGPTで作成した志望動機はバレる?
ChatGPTで作成した志望動機はバレるか?についてですが、現状、判定する手段がないためバレることはありません。ただし、以下記事でも記載している通り、ChatGPTは今や多くのユーザーが利用しています。ChatGPTを他の就活生も使っていたら、もしかすると同じ回答が生成されているかもしれません。
なので、一からChatGPTに生成してもらうのではなく、ベースを作った上で肉付けしてもらうか、生成された文章にオリジナリティを加えるなど、何かしら自分自身の言葉を加えてあげると良いでしょう。
ChatGPTを利用するうえで注意したいこと
最新の情報は保持していない
ChatGPTは2021年までの情報で学習しているため、最近の情報を返すことができません。そのため、企業の最新情報や売上などを確認する際はホームページで最新の情報を見るようにしましょう。
個人情報を載せないよう注意
ChatGPTへの質問文に、個人情報や会社の機密情報を含めないよう注意してください。ChatGPTは、ユーザーから与えられた質問文の内容を記憶し、学習データとして利用する可能性があります。
実際に、Amazonでは社外秘であるはずの情報を含む応答をChatGPTがしているのを確認しており、全社的に機密情報や業務で扱うプログラムを質問に含めることを禁止しています。
ChatGPTは間違った回答をすることがある
ChatGPTは、ユーザーの質問力によって精度が大きく変わると書きましたが、それでも間違った回答をすることはゼロではありません。これはChatGPTに限らず、AIチャットツールにおいては避けられない事実です。
ある程度知識があれば、「これはおかしな内容だ」と気づくことができるので、そんなに深く考えなくてもいいと思っています。例えば、「面接でするべき質問」に関する回答として、
「使用しているPythonバージョンの種類を尋ねてみよう」と書かれていますが、これは質問としてはよろしくないですよね。プログラミングを少しでもしたことのある方であれば、使える質問とそうでない質問を判別して、うまく取り入れていけば良いと思います。
より高クオリティな回答が得たいならGPT-4を使う
ChatGPTには、無料版と有料版(ChatGPT Plus)があります。無料版にはGPT-3.5というモデルが搭載されており、こちらでも十分実用的ではありますが、GPT-4は現在最も高性能なモデルで、文章生成や感想文の作成、レポート執筆、その他クリエイティブな分野の質問にも対応しています。
無料版はピークタイムに使えなくなることがありますが、有料版はピークタイムでも問題なく利用できます。
まとめ
今回は、ChatGPTを転職活動に利用して、志望動機の作成や面接対策をする方法について紹介しました。ChatGPTは質問の仕方を工夫するだけで有能なアシスタントになってくれるので、頼めるところはどんどん頼んで効率的に転職活動ができるといいですね。
今は仕事が忙しくて転職活動できないという方は、自分の市場価値をチェックしたり、転職時に求められるスキルの習得などから始めてみることをおすすめします。
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