Power Automate Desktop(PAD)のフローを途中から実行する方法について解説します。
「ここから実行」で実行する
途中から実行したいアクションの上で右クリックし、「ここから実行」を押すと途中から実行できます。
「ここから実行」が押せない場合
「ここから実行」が押せない場合、以下の原因が考えられます。
条件分岐のなかにアクションがある場合
条件分岐とは、「if」や「switch」など条件に応じて処理が変わるものを指します。
「if」や「switch」以外にも、条件により処理が分岐する場合には、「ここから実行」は非活性となり使えません。
「条件分岐」に分類されるその他のアクション
- ファイルが存在する場合
- フォルダーが存在する場合
- プロセスが次の場合
- ウィンドウが次を含む場合
- ウィンドウが次の条件を満たす場合
- Webページに次が含まれる場合
対策:一番外側の条件分岐から「ここから実行」する
対策としては、条件分岐の中のアクションからではなく、条件分岐に対して「ここから実行」を実行します。
条件分岐が複数に重なっている場合は、一番外側の条件分岐に対して「ここから実行」を指定します。
リージョンの中にアクションがある場合
リージョンの中にあるアクションに対して「ここから実行」はできません。
これは色々試していてたまたま気づいたのですが、ちょっと不便ですね・・・。リージョン機能自体は、コメントの代わりに活用するのに便利な機能だと思っていたので、今後のアップデートでリージョン内でも途中実行できるようになってほしいなと思います。
対策:リージョンの先頭で「ここから実行」する
リージョンの先頭で右クリックして「ここから実行」することが可能です。
ループの中にアクションがある場合
「For each」「Loop」などのループ内のアクションに対して「ここから実行」はできません。
対策:ループの先頭で「ここから実行」する
ループの先頭で右クリックして「ここから実行」することが可能です。
「ここまで実行」したい場合
逆に、「ここまで実行」したい(途中まで実行したい)場合の方法を解説します。
例えば8行目の「Excelの起動」まで実行したい場合を考えてみます。この場合、「Excelの起動」の次のアクションにブレークポイントを貼ります。
9行目の赤枠のあたりでクリックすると、
丸いポチがつきます。これがブレークポイントで、「ここで止めるよ」というしるしです。
実行すると、ブレークポイントの手前まで実行され、処理が止まります。
一時停止状態になっているので、このまま処理を終了したい場合は「停止」、処理を再開したい場合は「実行」、次のアクションだけ実行したい場合は「次のアクションを実行」を選択します。
「ここから実行」で起こりうるエラー
インスタンスが作成されていないことによるエラー
「インスタンス」というのは、Excelを開いたときにブックが実体として生成されたり(Excelインスタンス)、Google Chromeを起動したときにブラウザが実体として生成されるなど(ブラウザーインスタンス)、何かしらの「実体」をさします。
PADでは、この「実体」に対して操作していきます。
例えば、以下ではExcelを起動して、そのExcelに対して書き込みを行うフローです。
このとき、「Excel ワークシートに書き込む」で「ここから実行」を行うと、以下のエラーが発生します。
これは、「書き込み対象のExcelがないよ」というエラーです。このように、インスタンスを生成してから実行するアクションに関しては、途中から実行するとエラーが発生する可能性があります。
エラーではないが注意したいこと
想定通りの変数操作がされていない可能性
以下のように、同じフロー内で変数の設定と、その変数に対する計算が行われる場合、「変数を大きくする」から「ここから実行」をしても、エラーは発生しません。
しかし、「変数を大きくする」の結果は、101ではなく1になります。
他にも、サブフローだけ実行した場合に、本来はmainで変数操作されているのにそれがされず、意図した結果にならない可能性などが挙げられます。
まとめ
Power Automate Desktop(PAD)のフローを途中から実行する方法について(「ここから実行」の使い方)について解説しました。
長いフローや複雑なフローでは、一部分だけ実行したい場面が出てくるかと思います。そのような際に是非活用してみてください。
当ブログでは、Power Automate、Power Automate Desktopに関する記事を他にも投稿しています。もし、「このようなことが知りたい」「こんなフローの作り方が知りたい」等ございましたら、問い合わせやコメントからお気軽にご連絡ください。
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