「AI 仕事」と検索エンジンに入力すると、
- AI 仕事 なくなる
- AI 仕事 奪われる
といった、AIによって仕事がなくなるのではないかという検索サジェストが多く出てきました。
ですが、実際にAIに仕事を奪われたという方は本当にいるのでしょうか?また、今後、わたしたちがAIによって失業することを防ぐための対策はあるのでしょうか?
「AIに仕事を奪われた」実例
実際に「AI化の推進」を理由に仕事が奪われた実例を紹介します。
【事例1】Google、AI投資のため技術者ら数百人を削減
Googleは、成長領域である人工知能(AI)に投資するために技術者ら数百人を削減しました。
この背景には、OpenAI社によるChatGPTをはじめとする生成AIへの対抗があります。Googleでは「Bard」という生成AIを公表していますが、リリースは2023年の3月21日。ChatGPTのリリースは2022年11月30日。Bardをリリースしたときには既にChatGPTが一大ブームとなっており、遅れをとる形となりました。
Googleは、生成AIの開発体制を整えるべく、本社に生成AI部門を集約し、AI技術者を集めました。そして、生成AIの開発の効率を上げるべく、今回の人員削減に至りました。
参考:Google、技術者ら数百人を削減 コスト抑制でAIに軸足
【事例2】携帯大手 米Tモバイル、AI化を理由に人員削減
米国の携帯電話会社大手の「Tモバイル」は、社内でのAIを推進することを理由に従業員の7%を一時解雇しました。
経理や人事などの部門、および一部の技術職が雇用削減の対象となりました。
【事例3】DropboxがAI化を理由に500人を解雇
オンラインストレージサービスとして有名な「Dropbox」では、AI開発に力を入れるために500人を解雇しました。
ドリュー・ヒューストンCEOは、「景気低迷により収益性の高い投資の一部が継続不可能になったこと」「中核であるクラウド事業が鈍化している」と述べ、AI事業へ焦点を当てることは、「痛みを伴うが未来のために必要」「目の前にある機会に乗り遅れないよう迅速に対応したい」と、AI事業に力を入れることを宣言しています。
日本における「AI失業」の現状は?
このように、大手企業ではAI化を理由に人員削減をしている事例が既に多く存在しています。特に米国企業で顕著になっており、「AI失業」として、2023年1月~8月のあいだにAI化を理由に人員削減された人数が4000人にのぼりました。
参考:「AI失業」米国で現実に 1〜8月4000人、テックや通信
いっぽう、日本では「AI推進を理由に解雇された!」という事例は耳にしません。これってどういうことなのでしょうか。
日本においても、ChatGPTをはじめとする生成AIが様々な職場に導入・活用されており、生成AIの影響を受けていないはずがありません。
日本は正社員を解雇しにくい
日本には独自の解雇規制があり、諸外国と比較して正社員を解雇しにくいという現状があります。
そのため、「あなたの仕事、AIで出来るから解雇ね」みたいなことができないのです。
失業者が可視化されていないだけのパターンも
日本では、正社員を解雇しにくいという現実があるのに加え、「AI化を理由に人員削減」と明言することも少ないのではないかと思います。
なんだかんだ、「人員整理」などと言って別の仕事を割り振るなどして、「窓際族」と言われる人が少しずつ増えていくのではないでしょうか。
AIに仕事を奪われた人に「あなたはAIで代替可能なので首です」なんてわざわざいわないから、表面的には「AIによる失業者」なんつーもんは可視化されないと思うんだよな。確実に生じているだろうだろうし、これからも加速するんだろうけど。
— 猫のしっぽの付け根をトントン・マクート (@oonaonnekosuki) January 12, 2024
銀行では既にAI化を理由に雇用の減少が起きている
参考:2024年「AI失業」は本当に起きる? 日本の銀行ですでに始まっている人員整理…ChatGPTはこれから人間の仕事を本気で奪いにくる
↑こちらの記事によると、銀行では既にAI化の影響を受けて雇用の減少が起きているといいます。
日本の銀行員の数は2018年には約29.9万人だったのですが、2022年には26.4万人にまで減っています。ほかの産業に先駆けて、AIによる影響をこうむった銀行業で雇用の減少が起きているのです。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/fa6cd1c468c9059a18d0173cf386342aa22b488b?page=4
「AI失業」したあとはどうなる?
「AI失業」した人は、その後どうなってしまうのでしょうか。
先ほどの記事に、以下のような記述がありました。
21世紀になってからはITがサービス業を効率化し、いくつかの職種で雇用を減らすようになりました。日本ではまだ目立った動きはありませんが、アメリカではすでに旅行代理店やコールセンターのスタッフがITによって仕事を奪われ、清掃員や介護士に転職するような事態が発生しています。
要するに、サービス業内の「ホワイトカラー」(知的労働者)から「ブルーカラー」(肉体労働者)に労働移動しているのです。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/fa6cd1c468c9059a18d0173cf386342aa22b488b?page=4
「AI失業」したあと、人々はホワイトカラー(知的労働者)から、ブルーカラー(肉体労働者)に労働移動しているというのです。
「AI失業」しないための対策
では、わたしたちが「AI失業」しないためにはどのような対策を講じるべきなのでしょうか。
AIに奪われにくい仕事を選択する
Indeed「将来なくなる仕事、なくならない仕事ランキング」において、なくなる可能性の高い仕事とされているのは以下の仕事です。
逆に、なくならない仕事とされているのは以下の仕事です。
AIの活用×人間だからこそできることを掛け合わせる
熟練した職人でないとできない技術だったり、人と人とのコミュニケーションが必要な仕事はまだまだAIに取って代わることはないでしょう。ただし、AIができることはどんどん増えていきます。
だからといって、全てを諦めたり、「AIに丸投げしとけばいいんでしょ!」的な考えになるのではなく、AIを活用するスキルを身に付けること、そしてAIを活用しつつ、人間だからこそできることをそこに付加していくことが有効なのではないかと思います。
結局、AIも道具なので使いこなせてなんぼなんですよね…
誰にも反感買わないし、誰が見ても素晴らしいものを作れたら勝ち。
AIは多くの仕事を奪うけど、仕事を奪われただけの人と、AIを有効活用できる人で格差が広がっていきます。…
— ますく@3DCG_目指せデジタルアートマスターへの道 (@mask_3dcg) January 14, 2024
AIを味方につけて作業効率向上や可能性を広げていく
例えば、「ChatGPT」ひとつをとっても、「ChatGPTってデタラメな回答ばっかりで使えない!」と言う人もいれば、プロンプトエンジニアリングを学び、ChatGPTがより精度の高い応答を得られるよう工夫する人もいます。
生成AIを味方につけて、今後の仕事に生かしていくことが大事なのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「AIに仕事を奪われる」は本当か、日本での現状はどうなっているか、「AI失業」しないための対策について解説しました。
米国に比べると、明確にAI化による失業が日本で起こっているという事象は多くないですが、「AI化」は着実に進んでいます。今後、わたしたちが「AI失業」しないためには、AIそのものを活用すること・そこに、人間しかできない要素をプラスしていくことが重要なのではないかと感じました。
私はITエンジニアをしていますが、ソースコード生成や議事録まとめをChatGPTに任せることや、このブログを書くときもアイディア出しや文章の要約などに生成AIを活用することが日常となっています。
とはいえ、エンジニアの方以外で、あまりPCが得意でないという方も多いと思うので、本ブログではChatGPTをはじめとする生成AIの使い方・活用事例などを、初心者の方でも分かるよう解説していきたいと思います。また、疑問点などがありましたらお気軽にコメントいただければと思います。
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