AIPRM for ChatGPTは、Google Chromeの拡張機能のひとつです。
導入すると、SEOやプログラミングなどのジャンルごとに最適化された対話ができるようになります。
上記はSEOのカテゴリから「キーワード戦略」というモードを選んだものです。単語を投げただけで、SEOを意識した記事のタイトルを提案してくれています。
- ChatGPTをプログラミング学習にもっと活かしたい
- ChatGPTをSEO対策ツールとして使いたい
このような方は、AIPRM for ChatGPTを導入すると作業効率の向上が期待できます。具体的な使い方や用途別の活用事例を紹介しますので、是非試していただけたらと思います。
AIPRM for ChatGPT とは
「AIPRM for ChatGPT」とはGoogle Chromeの拡張機能のひとつです。インストールするとChatGPTに機能が追加されます。
AIPRM= AI PROMPT MARKETRLACE
AIPRM(エーアイ ピーアールエム)は「AI PROMPT MARKETRLACE」の略で、直訳すると「AIプロンプト市場」となります。「プロンプト」というのは、ChatGPTに指示を出すことをさします。このプロンプトに関する様々なテンプレートが公開されていて、ユーザーは目的に応じて選ぶことができます。
例えば、「Software Engine」を選ぶと、PythonやHTML、Javaなどプログラミング言語ごとのプロンプトが一覧に表示されます。
参考:Learnings from 100s of Prompts in AIPRM
各ジャンルに最適化されたモードで質問ができる
「AIPRM for ChatGPT」を導入すると、各ジャンルごとに最適化されたチャット画面(=プロンプト)から質問できるようになります。
最適化というのは、「このジャンルの質問に詳しいよ!」というモードになっている状態のことです。SEO・プログラミング・マーケティングなど、モードを選ぶと対象のジャンルに関する質問であれば通常モードよりも詳しく、より充実した情報を返してくれます。
例えば、ChatGPTで質問する場合、「Pythonのformat関数のサンプルコードを書いて」など、何について質問をしているか分かるように書く必要があります。この場合、
- プログラミング言語は「Python」 で、
- format関数について、
- サンプルコードを書いて
という3つの指示を出しています。
これと同じ質問を、Pythonに特化したプロンプトから質問してみます。すると、
- format関数
と質問するだけでPythonのformat関数と認識し、サンプルコードまで書いてくれました。
「何を質問すればいいか分からない」の手助けとなる
先ほどの事例からも分かるように、AIPRM for ChatGPTは、「何を質問すればいいか分からない」というときの手助けをしてくれるものと言えます。
ChatGPTは質問内容によって回答が大きく差が出ます。質問時に補足情報や例などを添えると、意図した応答が得られやすいです。しかし、「何が分からないのか分からない」「どうやって聞いたらいいのか分からない」という場合もあります。そんなときに、AIPRM for ChatGPTを使うことで、質問した内容に対して求めている答えが返ってきやすくなります。これは、それぞれのプロンプトで、内部で補足情報を補って質問してくれるためです。
つまり、質問の質に左右されずに、聞いたことに対して最適な回答をしてくれることが期待できます。
AIPRM for ChatGPTのインストール方法
Google Chromeを開いて、「AIPRM for ChatGPT」と検索します。
「chromeに追加」を押下しインストールが完了すると、自動的にChatGPTに遷移し、以下のようなポップアップが表示されます。
利用規約が英語で書かれています。重要な部分を日本語にして以下に記載します。
私たちは、お客様が入力したプロンプトを保存したり、個人情報を送信することはありません。
お客様の電子メールアドレスやその他の個人を特定する情報は保存しません。
当社は、「最も人気のあるプロンプトテンプレート」のような機能を提供するために、お客様のプロンプトテンプレートと、「好き」「嫌い」「フィードバック報告」を保存しています。
すべてのデータはデータセンターに保存され、お客様の情報を保護するために保存を最小限に抑えています。
個人を特定するような情報は保存しないけど、プロンプトテンプレートに対しての評価やフィードバック情報は保存しているよ、と言っています。問題なければ同意します。
※上記のように記載がありますが、ChatGPT自体でのデータの扱いがどうなっているかは分からないので個人情報を送信することは避けたほうがいいです。
同意してポップアップを閉じると、以下のような画面になります。
初回使用時には以下のポップアップが表示されます。
プロンプトテンプレートを公開し、AIPRMコミュニティとプロンプトテンプレートを共有する前に、必ず公開プロンプトのガイドラインを読み、それに従ってください。
AIPRMで公開プロンプトテンプレートを作成することは、10,000人以上のユーザーに公開することを意味します。プロンプトテンプレートが期待通りに動作し、ガイドラインに従っている場合は素晴らしいことです。もし、ガイドラインに従わない場合は、公開しないでください。
こちらは、プロンプトを自作する場合の注意になります。テンプレートから使用する場合は関係ありませんので、「Confirm」を押して閉じてください。
AIPRM for ChatGPTの使い方
この章では、AIPRM for ChatGPTの基本的な使い方について説明します。
手順は以下のとおりです。
- トピックを選ぶ
- プロンプトを選ぶ
- トーン(口調)を選ぶ
- ライティングスタイルを選ぶ
- ChatGPTに質問する
トピックを選ぶ
はじめに、トピックを選びます。トピックとは、自分が質問したい内容のジャンルのことです。
トピック | 概要 |
---|---|
Copywriting | コピーライティング 広告文章、ブログ記事、YoutubeやInstagramの投稿文作成など |
DevOps | 開発×運用 Docker、MySQL、ORACLE、GCPなど |
Generative AI | 生成系AI(ジェネレーティブAI) 全く新しいオリジナルのアウトプットを生成 |
Marketing | マーケティング メールの販促文、バイヤーペルソナのテーブル、マーケティングプランの生成 |
Operating Systems | OS関係 Windows、Linux、MacOS等 |
Productivity | 生産性向上 マインドマップ、ロードマップなど |
SaaS | サブスク関連の返金やポリシー文の生成 |
SEO | SEOキーワード、文章の生成 |
Software Applications | アプリケーションソフトウェア Excel、Googleスプレッドシートなど |
Software Engineering | ソフトウェア開発 Python、HTML、Java、PHPなど |
UNSURE | 上記のいずれにも属さないもの ChatGPTを使った英語学習、インタビューの際の質問、クイズなど |
プロンプトを選ぶ
選択したトピック一覧から、プロンプトを選びます。
今回は、トピック:SEO の、「Human Written|100% Unique |SEO Optimezed Article」(100%ユニークな、SEO最適化された、人間が書いた文章)を選んでみます。
トーン(口調)を選ぶ
プロンプトを選択すると、入力エリアに選んだプロンプトがセットされます。
続けて「Tone」を設定します。
トーン(口調) | 説明 |
---|---|
Authoritative | 権威のある |
Clinical | 客観的な、冷静な |
Cold | 冷たい、冷めた |
Confident | 自信がある |
Cynical | ひねくれた、ばかにした |
Emotional | 感情的に |
Empathetic | 親身な |
Formal | 形式ばった |
Friendly | フレンドリーに |
Humorous | ユーモアを交えて |
Informal | 堅苦しくないかんじで |
Ironic | 皮肉っぽく |
Optimistic | 楽観的に |
Pessimistic | 悲観的に |
Playful | 遊び心ある |
Sarcastic | 辛辣な |
Serious | 深刻そうに、まじめに |
Sympathetic | 同情したかんじで |
Tentative | 自信なさげに |
Warm | 温かい、やさしい |
「フレンドリーに」を選ぶと以下のようになります。
「辛辣な」を選ぶと以下のようになります。
上記のように、プログラミングについて質問する場合や英語学習など、何か調べものをする際には口調を変える必要はないと思います。
ライティングスタイルを選ぶ
次に、ライティングスタイルを選びます。
トピック | 概要 |
---|---|
Academic | 学術的に |
Analytical | 分析的に |
Argumentative | 論争的な、議論的な |
Conversational | くだけた |
Creative | 創造的な |
Critical | 批判的な |
Descriptive | 説明っぽく、描写的な |
Epigrammatic | 風刺的な |
Epistolary | 手紙文っぽく |
Expository | 解説的な |
Informative | 役に立つ、有益な |
Instructive | 教育的な |
Jounalistic | ジャーナリストとして |
Metaphorical | 隠喩的な |
Narrative | 物語っぽく |
Persuasive | 説得力のある |
Poetic | 誌的に |
Satirical | 風刺っぽく |
Technical | 専門的、技巧的に |
なんだか先ほどと似たような選択肢にも見えますが、ライティングスタイルでは文章そのものの雰囲気を決定づけます。例えば、ライティングスタイルを「物語っぽく」にして「ChatGPTでブログを書く方法」と質問すると、以下のように物語調で返ってきました。
次に、ライティングスタイルを「批判的」にして「ChatGPTでブログを書く方法」について質問すると、以下のように欠点を含む内容で返ってきました。
ライティングスタイルに関しては、選択したものによって文章の内容が変わりますので目的に応じて選ぶと良いかと思います。
ChatGPTに質問する
最後に、ChatGPTに質問します。
質問はふだん通りに行います。今回は、トーンを「フレンドリー」に、ライティングスタイルを「創造的」にして、「ChatGPTでブログを書く方法」と質問します。
「100%ユニークな、SEO最適化された、人間が書いた文章」というプロンプトを選んだため、SEO対策を意識したブログタイトル、見出し、本文となっています。
質問内容には「SEO」というキーワードを含んでいませんが、今回選んだプロンプトがSEO対策を意識したものになっているので、おそらく内部で「SEOに意識した内容で」みたいな設定が飛んでいるのだと思います。
ライティングスタイルに設定した「創造的に」については、どのへんが創造性があるのかいまいちわかりませんが、具体的なリサーチ方法やポイント的なものが「デフォルト」を選んだときよりも盛り込まれている印象です。
「続き書いて」などのコマンドボタンが便利
AIPRM for ChatGPTを導入すると、入力エリアに「続き書いて」などのボタンが出現します。
「Continue」ボタンを押すと「続きを書いて」と自動で入力され、それに応じてChatGPTが続きを書いてくれます。
「Continue」以外にも、「簡潔にして」「さらに説明して」などのコマンドがボタンひとつで行えます。
正直、このボタンだけでもこの拡張機能入れたメリットとも言えるような気がします。わざわざ「続き書いて」と入力するのめんどくさいですもんね。
AIPRM for ChatGPTのおすすめプロンプト
実際に便利だと思ったプロンプトを以下に紹介します。
プログラミング学習に活用する
Python Pro:Pythonに最適化されたプロンプト
Topic:Software Engineeringを選択し、「Python Pro」というプロンプトを選んでみます。
「スクレイピング」とだけChatGPTに投げると、以下のように回答が返ってきます。
スクレイピングと質問しただけで、Pythonのサンプルコードとともに手順を返してくれました。
PHP Pro:PHPに最適化されたプロンプト
次に、「PHP Pro」というプロンプトを使ってみます。「HTML埋め込みのサンプル」と質問してみます。
すると、今度はHTMLにPHPのソースコードを埋め込むサンプルコードを返してくれました。
SEO対策に活用する
AIPRM for ChatGPTは、SEO対策に関連するプロンプトも用意されています。
Keyword Generator:関連キーワード生成
「Keyword Generator」というスクリプトでは、指定したキーワードに関連する25個のキーワードを提示してくれます。
Outrank Article:競合よりワンランク上の記事を書くためのプロンプト
「Outrank Article」では、競合のブログやサイトなどのURLを送信すると、その内容よりも良質な記事を提供してくれるというプロンプトです。
試しに当ブログのChatGPT APIに関する記事のURLを投げてみます。
うーん。
ワンランク上の内容になっているかというと、そんなことないような。ただ、同じような記事内容を競合と被らないように書くことはできています。
なので、競合よりも良い記事を書くというより、競合との重複を避けつつ競合と同じキーワードで記事を書きたい場合には参考になるかなと思います。
まとめ
今回は、AIPRM for ChatGPTについて解説しました。
用途に応じたプロンプトを選ぶことで、今までのChatBOTの対話よりも、より求めている答えに辿り着きやすくなりそうだなと感じました。特に、プログラミングに関しては実用的なプロンプトがそろっているので、ぜひエンジニアの方やプログラミング勉強中の方は一度試してみてください。また、SEO関連のプロンプトでは、記事の作成やリライト、キーワードの提案など、記事を書くうえで参考になりそうなものが多いので、ブロガーやWebライターの方にもおすすめです。
Google Chromeの拡張機能で、Googleの検索結果にChatGPTを表示する方法についても紹介していますので、あわせてご参照ください。
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