今回は、Power Automate Desktop(PAD)の「リージョン」機能について、「コメント」機能との違いを踏まえながら解説していきたいと思います。
「リージョン」とは?
PADの「リージョン」とは、名前のとおり、アクションをブロックに分けるときに使うアクションです。
リージョン(region)とは、「区域」「範囲」などの意味を持ち、IT用語としてはAWSなどのクラウドサービスにおけるデータセンターのあるエリアを指したりします。
PADではアクションを区切るためのもの、と考えておけばOKです。
上記の画像でいう、黄色の部分がリージョンです。「リージョン スクレイピング」となっていますが、このリージョンで囲まれたなかでスクレイピング処理をしていることが分かりやすくなります。
リージョンとコメントの違い
PADの「リージョン」と「コメント」の違いは、以下になります。
- リージョンのほうが色がついていて見やすい
- リージョンは始まりと終わりを明確にできる
- リージョンで囲まれたアクションは折りたたむことができる
どちらも、直接フローに影響するものではなく、コメントとして使うことができますが、リージョンのほうが色付きなのでぱっと見で分かりやすく、始まりと終わりを明確化できるのが特徴です。
リージョンは始まり・終わりを明確にできる
「コメント」機能との違いにも書いたとおり、リージョンでは始まりと終わりが視覚的に分かりやすいです。
例えば、以下はとあるサイトを検索するフローを作る場合のフローです。
スクレイピングはここでやっている、Excel操作はここでやっている、というのが一目でわかるようになっています。処理を変更・追加する際にも、リージョンで区切られているとスムーズに対応することができるようになります。
リージョンで囲んだアクションは折りたためる
リージョンで囲んだアクションは、折りたたむことができます。
フローが長くなってきたときや、サブフロー化するまでもないけどちょっと見づらいな、と思ったときにリージョンを使うと便利です。折りたたんだ際には、リージョンの中に入っているアクション数が表示されます。
単純に一つのアクションを説明したいときはコメントが良いかも
ここまで、リージョンは便利だというアピールをしてきましたが、コメントのほうが向いているシーンもあるかと思います。例えば、単純に一つのアクションのみを説明したい場合や、サブフローの先頭にコメントを書きたい場合などです。
コメントは、他のアクションに紛れてしまいがちですが、
上記のような感じで目立つように工夫するだけでも少しは改善されますので、是非試してみてください(コピペ用↓)。
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ここにコメントを記載
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リージョンを使う際の注意点
リージョンを使う際の注意点は以下の通りです。
リージョン単位での移動は「全て選択」が必要
リージョン内のアクションをごっそり移動させたいとき、そのままドラッグアンドドロップでできたら良いんですが、現状できません。
リージョンごと移動させたい場合は、Shiftキーを押しながらクリックしてアクションを選択します。
リージョン内だけの実行はできない
リージョン内だけを単体で実行することはできません。
PADの機能に、「ここから実行」というものがありますが、リージョン内だけでなく、これ以降のアクションがすべて実行されます。
処理を細かく分けて、その部品ごとにテストしたいという場合には、サブフローを使うことをおすすめします。
サブフローの使い方・サブフローのみを実行する方法については、以下記事にてまとめていますので合わせてご参照ください。
開始・終了のうち片方のみ消すとエラーになる
リージョンは、開始・終了のうち片方だけ消すとエラーになります。
- 終了のみ消した場合
End regionステートメントがありません。
- 開始のみ消した場合
End regionステートメントと一致するregionステートメントが見つかりません。
まとめ
今回は、Power Automate Desktop(PAD)の「リージョン」機能について、「コメント」機能の違いに触れながら解説しました。
リージョンは、2023年2月のアップデートで登場した機能なので、まだ使ったことのない方、存在自体知らないという方もいらっしゃるかと思います。
PADのコメント機能がいまいち目立たず、アクションが多くなってくると埋もれてしまいがちなので、必要に応じてリージョンも是非活用してみてください。
参考:Microsoft Power Automate フロー制御アクション リファレンス
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