Microsoftは、Windows11標準のペイントアプリに「Paint Cocreator」というAI画像生成機能を追加しました。すでにアメリカや、フランス、英国、オーストラリア、カナダ、イタリア、ドイツで利用可能ですが、日本ではまだ使えないようです(参照)。
今回は、
- 「Paint Cocreator」とはなにか?
- 利用は無料?回数制限はある?
- 日本ではいつ使えるようになる?
などの気になる点について、解説していきたいと思います。
「Paint Cocreator」とはなにか?
「co-creator」とは、「共同制作者」の意。あなたの画像生成のお手伝いをしますよ!的なニュアンスでしょうか。
OpenAIのDALL-Eモデルを使用している
「Paint Cocreator」では、ChatGPTでお馴染み、OpenAIのDALL-Eが搭載されています。
DALL-Eに関しては、Web版のChatGPTにおいて、少し前のアップデートでDALL-E専用のチャットが使えるようになりました(ChatGPT Plus※有料会員 のみ)。
DALL-Eは、画像生成専門のAIです。例えば、
雪の降るなか、温泉に入るカピバラたち。頭の上にはミカンが乗っている。
と指示すると、以下のように画像を生成してくれます。
これがペイントに搭載されるということです。
ペイントのメニューに追加される
どうやら、少し前に追加された「レイヤー」の左側にメニューとして追加されるようです。
ペイント上で、ChatGPTを使うのと同じようにチャット形式で生成したい画像を入力すると、3パターンの画像が生成されます。
料金は無料?使用回数に制限はある?
50回分の無料クレジットあり。ただしMicrosoftサインインが必要
「Paint Cocreator」の使用は、以下のように定められています。
クレジットは、Cocreator で画像を生成するために使用する通貨です。 イメージを生成するたびに、1 つのクレジットを費やします。
Cocreator に参加すると、画像を作成するために 50 クレジットが受け取られます。
引用:Microsoft ペイント コクリエーターを使用して AI アートを生成する
つまり、
- 「Paint Cocreator」の使用にはMicrosoftアカウントへのサインインが必要
- 50回までの無料クレジットがついている
ということです。50回って、かなり少なく感じますね。Web版のChatGPTで使えるDALL-Eは、月額20ドルのChatGPT Plusに加入している必要があるものの、3時間に50回まで指示が可能です。
また、DALL-E以外にも画像生成AIは様々なツールが存在しており、Canva AIでは無料で1日25回まで画像生成することができます(詳しくはこちら)。
そもそも「クレジット」ってなに?
で、そもそもこの「クレジット」って何ぞや!?って感じなんですけど、Microsoft公式の文面に「通貨」とあることから、Microsoft Rewardsなのではないかと思われます。「Bing Image Creator」においても、このMicrosoft Rewardsが使えるようになっているので、同じ方式になると予想できます。
Microsoft Rewardsというのは、マイクロソフトのゲームやコンテンツ購入、Microsoft Edgeの検索園児に「Bing」を使って検索した際などに貯まるポイントのことです。
もし、本文で書かれている「通貨」というのがMicrosoft Rewardsなのであれば、普段Bingで検索をしている方は自然とポイントが貯まっていると思います。ちなみに私は普段ほとんどChromeを使用しており、Bingを使うのはほんとにたまーーーになんですが、いつの間にかポイントが貯まってました。
初回利用時には「待機リスト」への参加が必要
「Paint Cocreator」には、待機リストへの登録が必要となります。
最初は、この機能を使用するための待機リストがあります。 関心がある場合は、Cocreator サイド パネルから待機リストに参加します。 Cocreator の使用が承認されると、メールが届きます。
引用:Microsoft ペイント コクリエーターを使用して AI アートを生成する
待機リストに登録して、承認されたアカウントでのみ使える機能のようです。
Bing AIでもリリース直後に「順番待ち」に登録しなければならないということがありましたが、それらと同様、承認といってもよっぽどのことがない限り否認されることはないかと思います。
ペイントでDALL-Eを使えるメリット
生成した画像をそのままペイント内で利用できる
Windows標準のペイントで画像生成AIが使えることのメリットとしては、生成された画像をそのまますぐに編集できるという点にあると思います。
ペイントでは、少し前に画像の透過機能と、レイヤー機能が追加されました。これにより、ちょっとした画像編集に関してはペイントでも事足りるようになりました。生成された画像どうしをレイヤー機能で合成することで、さらにクリエイティブな画像を作成することができます。そういった点では、ペイント内でDALL-Eが使えるのは色んな可能性が広がるなとも感じます。
なお、ペイントの透過機能・レイヤー機能についての詳細は以下記事をご参照ください。
保存形式(拡張子)を選べる
ペイントでは、PNG・JPG・GIFなど保存形式を選ぶことができます。
ChatGPT内で使えるDALL-Eでは、右クリック保存だと「.webp」、ダウンロードだと「.png」となります。
作成時に、用途に応じて拡張子を選べるのはペイントだからこそのメリットかなと思います。
日本ではいつ使えるようになる?
Microsoftからの情報を見る限り、日本でいつ使えるようになるかという情報は一切得ることができませんでした。
透過機能・レイヤー機能もいつの間にか使えるようになっていたので、「Paint Cocreator」に関しても忘れたころにしれっと使えるようになっているパターンな気がします。
所感
今回は、Windows11標準のペイントアプリに「Paint Cocreator」というAI画像生成機能を追加された件について紹介しました。
日本ではまだ使うことができない機能ではありますが、ペイント内にDALL-Eが搭載されるようになると、今以上に画像生成AIを使うユーザーが増え、より様々なAI画像・AIイラストが誕生することでしょう。
料金に関しては、50クレジットを超えたら有料になってしまいますが、そもそもDALL-E2、DALL-E3の利用どちらも有料となっており、いずれにせよある程度使うのであれば料金が発生することになります。使い勝手や目的などに応じて、自分に合ったものを使うと良いでしょう。
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